2014年6月15日日曜日
俺と飛龍。
俺が中学1年のときに、下校途中に拾ってきたのが飛龍(ひりゅう)だ。
シェパードっぽいカラーリングの雑種だが、とても利口でおとなしい犬だった。
この飛龍は、結局15年近くも生きた。
12歳の時から27歳くらいまで飼っていた、俺の犬人生のなかでもっとも長い付き合いだった犬だ。
15年も飼っていると、まだガキだった高校生くらいの時には、飛龍をいじめたりしたこともあった。
鎖につながれている飛龍を、パンチで殴ったりしていた。
いま思い出してもひどい話だ。
いくらガキだったからといって、本当にあの頃は飛龍に申し訳なかったと思って後悔している。
そんな過去があったにも関わらず、俺が社会人になり、仕事から帰ってきたらいつも飛龍は嬉しそうに小躍りするように駆け寄ってきてくれた。
その姿は、いまでも鮮明に思い出すことができる。
ほんと、生涯忘れることのできない犬だ、飛龍は。
そんな飛龍との別れは、突然訪れた。
飛龍も老体になってからは、近所の人にも可愛がられており、おとなしいのでいつも放し飼いにしていた。
ほんとうは放し飼いはよくないんだが、近所からの苦情もなく、いつも家の前で寝ていた。
犬小屋はちゃんとあるのだが、なぜか家の玄関前と向かいの家の間の道の垣根によりかかるようにしていつもゴロゴロしていた。
そんなある日、飛龍がいなくなった。
俺と弟は、近所を探しまわった。
それから数日。
近所のおばちゃんの家の塀の内側で、死んでいる飛龍が見つかった。
おばちゃんの話だと、時々やってきてはそこで寝てたりしていたらしい。
ハッキリした死因はわからない。
でも、どんなに苦しかったのか、どんなに怖かったのか、どんなに寂しかったのか、助けてやれなかったことをものすごく悔やんだ。
たぶん、弟も同じ思いだったのだろう。
弟は、玄関の中で冷たくなって動かない飛龍のそばに、一晩中ずーっと一緒にいた。
弟のほうが、俺よりも飛龍を可愛がっていたから無理もない。
俺は飛龍をいじめていた時期もあったが、弟は飛龍の生涯をずっと愛し続けていたから。
いまでも時々、飛龍に似た犬を見かけるたびに、飛龍を思い出す。
飛龍とはほんとうにたくさんの思い出があった。
俺はいままでも、これからも、ずーっと飛龍のことを忘れない。
そして、俺がいつか死んだあとは、あの世でまた飛龍に会いたい。
そしたら、きっとまた、昔のように小躍りするように俺のところに駆け寄ってきてくれるかな。
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